空き家を「サードプレイス」に —新しい居場所のカタチ—

提携建築士 加藤陽介さん

近年、カフェやコワーキングスペース、フリースクールなどの「サードプレイス」が注目されています。(*サードプレイスとは、「自宅(ファーストプレイス)」や「職場・学校(セカンドプレイス)」とは別に、気軽に過ごせる第三の居場所のこと。)最新の「住宅・土地統計調査」では、全国に約900万戸、都内には約90万戸の空き家が存在していることがわかっており、その多くが活用されていません。そんな空き家をリノベーションし、地域の人々が集まる「サードプレイス」として生まれ変わらせる動きが進んでいます。

空き家、空き店舗を活用したサードプレイスの事例

①コミュニティカフェ&ギャラリー 小規模多機能拠点(八王子市)

築75年の空き店舗を改修し、カフェ&ギャラリー+地域交流スペース+オフィスとして活用。
地域の魅力発信基地として、おしゃべりやイベントが楽しめる場に。

②地域の子どもと高齢者の居場所「GREEN HOUSE」(北区)

築60年、長年使われていなかったアパートを地域の方々の居場所に。

③10代、20代が気軽に入りやすい シェアハウス&カフェ(八王子市)

空き家になっていた祖父母宅を孫がリノベーション。若者が集いやすいスタイリッシュな地域拠点に。

①町屋カフェ金多屋(before 酒屋
②GREEN HOUSE(beforeアパート)
③café latte la(before 祖父母の家)

あなたの近くにも「サードプレイス」が生まれるかも?                    空き家を所有される方、利用したい方にまずお伝えしたいのは、空き家は地域の“たからもの”だということ。空き家が“たからもの”になるポイントは、①現在の住まいの状況を正しく知る→住まいの簡易診断を受ける、②放置しない→定期的なお手入れ、③活用を考える⇒地域に役立てる、住む、貸す、売却などです。空き家を放置せず、人が集まる温かい場所に変えることで、まちはもっと暮らしやすくなります。もし使われていない空き家があれば、どんな活用ができるか考えてみるのも面白いかもしれません。

目次