提携建築士 長谷川えいこさん 武山肇さん

我々は、「設計のねらいとコストコントロール」という講座を担当しています。コストコントロールは以前から簡単なことではありませんでしたが、近年の物価高騰によって、本当に厳しいものになってきていることを実感しています。
リフォームにおいても新築においても、コストを抑えたことで不足を感じるのでは意味がなく、金額の大小に関わらず、やってよかったと思えるものにしたいものです。
そのためには、まんべんなく価格を落とすよりも、優先順位を明確にして、お金を掛けてでもこだわる部分、コストダウンしても構わない箇所のメリハリをつけることが、結果的な満足度につながっているように思います。
さらに建築士や施工者も一緒になって知恵を絞ることによって、よりよいアイデアが生まれることも多いので、共に考えて一緒につくっていくことがとても重要なことではないかと思います。
紹介させていただくのは「かわいらしさ」にこだわった住宅です。まずは立地。公園を抜けた先にある丘の上の小さな住宅。
形と色。丘の上の小さな三角の赤い屋根のおうち。三角の屋根の形も赤い屋根材もコストにはほとんど影響していません。(素材の色を選択するとき、特注色でなければコストには影響しません)
ディテール。階段や吹き抜け周りの手摺を少しだけこだわった形にする。材料は一般的な素材で形も大工さんがさほど手間暇を掛けずに作れる形にして組み合わせる。
アクセント。こだわりのステンドグラスやこだわりのタイルを使う。タイルはご自分で焼いていただいたのでコストアップにはなっていません。
少しずつのこだわりを集めて、おいしい空間が生まれました。



