提携建築士/永添一彦さん

東京の市街地で身近な循環エネルギー(自然エネルギー)といえば、太陽エネルギーでしょう。手軽に化石燃料から太陽エネルギーへのシフトを日々の暮らしの中で実践しようと企画したのが、生活クラブ 住まいの講座「明日にでもできる自然エネルギーの活用」です。発泡スチロールの箱とプラ板と銀色のエマージェンシーシートで集熱箱を作ります。市販の湯たんぽに水を入れ、その集熱箱の中にセットし、9時から15時くらいまで直射日光に当てると、真冬の2月でも55度くらいまで温まります。温まった湯たんぽをそのまま布団の中に放り込むと、就寝する頃には程よく布団が温まって寒い冬でもストレスなく眠りにつけます。ガスや電気は必要ありません。次の日の水の入れ替えも不要で、そのまま集熱箱に入れ、お日さまに当てればOKです。仕組みはシンプルで、ソーラー発電のような希少な資源や複雑な機器も必要ありません。自作できる太陽熱温水器で「おひさま湯たんぽ」と呼んでいます。
家庭でのエネルギー消費を用途別に見ると、冷房、暖房、給湯、ちゅう房、動力・照明他(家電機器の使用等)と分類できるのですが、暖房と給湯のエネルギー消費の割合は50%程度もあります。「おひさま湯たんぽ」のような太陽熱温水器は、暖房や給湯で必要な40℃近辺の温度帯のエネルギー活用を得意としたシステムで、エネルギー変換効率は50%程度にもなります。ソーラー発電だけでなく太陽熱利用の取り組みも広まればと思います。