季節の変化

提携建築士 太田陽子さん

 私の住んでいるマンションは、冬に日差しがよく入る南向きではなく、南東向きなので冬から春にかけて日がよく入るようになります。これは太陽が北寄りから昇ってくるためで、日の出も早くなり、春は特に日が多く入るように感じます。朝日を浴びながら、居間でラジオ体操をして、体をリセットしています。

 居間の少し奥にあるキッチンは、タイル貼りです。このタイルに、朝日があたる瞬間があります。普段はおとなしめのベージュ色のタイルなのですが、朝日があたると飴色となり、魅力的な表情をみせてくれます。季節と時間によって、キラキラする場所がかわり、飽きることはありません。このコラムのために、写真に撮ってみたものの、上手く撮影することはできませんでした。そこで、水彩絵の具を持ち出し、絵にしてみました。想像力をふくらませて、見ていただければ嬉しく思います。このように、時間や状況によって、表情を変える材料は面白く思います。他にも、真っ白な漆喰も実は多様な表情をみせてくれます。

 南東向きの部屋の欠点は、夏に太陽が照りつけることです。夏は毎朝バルコニーに布をかけて日除けをしています。タイのお土産にいただいた厚い布は、遮熱効果もよく、見た目も気に入っています。洗濯物をたくさん干すことでも、とても良い日除けになります。ただ、夏はあっという間に洗濯物が乾いてしまいますが・・・。午後になれば日差しは移動してしまうので、この右往左往も、午前中だけです。

 昨今、気候の変動など気になることが多いです。身近なもので、太陽との距離を近づけたり、離したりして工夫しています。

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