提携建築士 長谷川えいこさん 武山肇さん
前回は、いい住宅をつくるための条件である「おいしい空間の5アイテム」のうち、「高い天井(吹抜)」「外部フロア(屋上、中庭)」、「プラスアルファーのフロア(スキップフロア、ロフト、半地下)」3つ(設計手法)について具体的に説明させていただきました。今回は、残りの2つ(素材と生産の在り方)である「自然素材」「持続性」についてお話しさせていただこうと思います。
「自然素材」、私たちは住宅の構造材や仕上げ材に、できることならなるべく多くの自然素材を使いたいと考えています。無垢材の杉の床板、壁や天井を漆喰仕上げにするなどです。自然素材は基本的に手触りや見た目に優しいだけではなく、調湿性能に優れ、また、年月を経ても単に汚れるではなく時間を纏うように古びてくれます。

「持続性」、構造性能や熱環境性能を高めることにより、長い年月住み続けられる住宅、産業廃棄物になりづらい住宅を目指しています。また風や太陽の光を大切にした住まいづくりも、自然の恵みを生かした持続性のある家づくりだと思います。安定的な地面の温度、雨水、地下水(井戸水)など、身近な自然エネルギーもできるだけ取り入れた設計を行いたいと思っています。
日本は森林国家です。国土のおよそ2/3(67%)が森林で、先進国の中ではフィンランドに次ぐ森林大国なのです。地震国としての防火の意識が、建築のコンクリート化を推し進めてきましたが、これだけ豊富な森林の資源を活用していかない手などありません。無垢材を多用した家は清々しく、森林浴ならぬ木林浴をしているかのようでもあります。自然素材を積極的に使い、住宅の持続性を高めることにより、環境負荷の少ない、地球に優しい、おいしい空間が生まれます。


