「おいしい空間・その42/おいしい空間の5アイテム その1」

提携建築士 長谷川えいこさん 武山肇さん

 「近代建築の五原則」というのがあります。近代建築の巨匠ル・コルビュジエが提唱した「ピロティ」「屋上庭園」「自由な平面」「水平連続窓」「自由なファサード」の5つの建築原則ですが、重厚な組積造と斜めの木造屋根の伝統的な西洋建築では実現できなかった、明るくて自由な住空間を鉄筋コンクリート造によって生み出そうとするものでした。

 生活クラブすまい・る の住宅は、木材をはじめとする自然素材を構造にも仕上げにも用いることが多いですが、我々は「近代建築の五原則」ならぬ、「おいしい空間の5アイテム」が、いい住宅になる条件ではないかと考えています。

 その5つとは、「高い天井(吹抜)」「外部フロア(屋上、中庭)」「プラスアルファーのフロア(スキップフロア、ロフト、半地下)」「自然素材」「持続性」です。

 最初の3つは設計手法であり、後の2つは空間を作るための素材と生産の在り方になります。「高い天井」は、狭い空間であっても吹抜をつくることにより、実際の寸法以上の視覚的広がりと、空間の豊かさを生みます。また軒を長く出すことにより、夏場は遮りながらも冬の太陽光の充分な取り込みを可能にします。

 「外部フロア」は、もう一つの屋外の部屋として機能します。屋上であればとても日当たりの良い庭として、同じ広さの土地を手に入れるよりコストを掛けずに楽しめます。中庭であれば他の視線を気にすることなく居室の一部のように連続感を持って楽しめます。また、中庭は光の取り込みや通風にも有効です。

 「プラスアルファーのフロア」は、スキップフロアやロフトの活用で、フロアどうしの空間の連続性や視線の繋がりを生み出すことができます。支持地盤が地表面から1mから2mぐらい下にあるケースでは、半地下を作ることも余剰空間を生み出す有効な方法になります。

「自然素材」「持続性」は次回に書かせていただきます。これらのアイテムを使うことにより、おいしい空間が生まれます。

屋上ガーデン
キップフロアでつながるLDK

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